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1999 May
 
デザインプレックス
 No.25掲載記事より
      文・岩吉 隆悠

一人でコツコツ創るのが好きなんだ

この頃からロドニーは徐々にアート作品の創作にMacを使い始めた。何でも新しいものに興味を持ち、チャレンジ精神が旺盛なのだ。時同じくして3Dソフト「Sculpt 3D」を使い始め3Dのビジュアルも手がけるようになる。オブジェ作品「Wonder Window」はモニターで作品を流すというものだったが、92年の展覧会「Land Ho!」ではCGプリントの作品も出展。ロドニーの創作手段のツールとしてMacがより使われるようになり、ついには、自らDirectorのLingoを組み、CD-ROMを制作してしまったのだ。オブジェ作品「Wonder Window」で見せていたインタラクティヴ作品を手直ししたり、新たに制作したものなどを1本のCD-ROM「Rodney's Wonder Window」にまとめ、92年にタイトルとして発表。このCD-ROMの中の音楽(作曲、演奏、ボーカル)も彼が手がけており、学生時代に音楽をやっていたことが活かされている。基本的にロドニー一人でCD-ROMを制作してしまったわけだ。その頃「何もかもよく一人でやってしまうよね」と彼に投げかけると、「僕は自分一人でコツコツ創るのが好きなんだ」という返事がかえってきた。93年には初めてCGプリント作品のみを出展した展覧会「Technoweenie」をニューヨークのギャラリーで開催した。そこで展示されたCGプリント作品は、Sculpt 3D, Freehand, Painter, Photoshopなどのアプリケーションを使って制作されたものだった。アーティストであるロドニーは発売された当初からPainterを気に入って使っている。この頃に第2弾のCD-ROMタイトルであるインタラクティヴ絵本『Dazzeloids』の制作に取りかかることになるが、93年秋にはフジテレビ系『ウゴウゴルーガ』で日本でのデビューを飾ることになる。

 

ロドニーとの出会い
この感動をみんなに
アートと音楽の狭間で揺れる
一人でコツコツ創るのが好き
「ウゴウゴルーガ」で一躍日本で認知
「商品化」されてもなお魅力溢れる作品